都市環境コースQ&A

ここではコースに関するよくある質問について回答いたします。

“都市”ってどういうものですか?

都市とは人々が生活や活動を行う場の総称です(「都会」という意味とは少し意味が異なります)。都市を扱う主な分野としては、土木と建築があります。本コースではこの2つにくわえ、さらに土木・建築と密接な関係にある環境についても学習し、よりよい都市環境を創造できる技術者を育成します。


“土木”と”建築”ってどう違うのですか?

建築とは文字通り建築物(建物)を扱う分野です。それに対して土木とは、建物以外の全ての都市要素を幅広く扱います。たとえば道路、鉄道、橋、トンネル、ダム、上水道・下水道、浄水場・下水処理場、ガス管、電線、通信線、港湾、空港、公園などです。建築・土木ともに人々の生活や活動を支える、基盤的な役割を担っています。いわゆる「縁の下の力持ち」ですね。


都市環境コースに関する資格はどんなものがありますか?

在学中に受験可能なものとしては、技術士(補)、測量士(補)、インテリアコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、カラーコーディネーター、色彩検定などがあります。また、卒業後に関係してくる資格としては土木施工管理技士、建築士、建築施工管理技能検定、造園施工管理技術検定などがあります。
このうち技術士補に関しては、専攻科を修了すると同時に取得可能です(技術士一次試験免除)。これは本校の総合工学教育プログラムがJABEE認定を受けているためです。また建築士に関しては、建築計画や建築法規といった、本コースで開講されている特定の科目を修得することで、卒業と同時に実務経験なしで2級試験を受験可能です。2011年度~2018年度新入生ならびに2019年度新入生以降のカリキュラムどちらも該当しています。


“計画”、”設計”、”施工”って何のことですか?

本コースの卒業生は、主にこの3種類の仕事を行っています。まず計画とは文字通り、どんな土木構造物や建築物をいつどこにどうやって作るかを計画する仕事です。
次に設計とは、計画に基づいて寸法、形状、材質などを考慮しながら具体的な形を図面化します。また、強度や耐震性に関する力学的計算や、費用の算出(積算といいます)も行います。
最後に施工とは、実際に現場で構造物を造る仕事です。高専卒の場合は「ものづくりのリーダーを育てる」という教育理念どおり現場監督の役割につき、安全かつ正確に構造物が完成するよう管理・監督を行うことになります。この3つ以外にも地図を作る”測量”や、メンテナンスを行う”維持・補修”という仕事に就く学生もいます。詳しい企業名については進路のページをご覧ください。


公務員になれると聞きましたがどんな仕事をするのですか?

公務員と一言にいっても国家・地方の種別があり、さらに行政職と技術職に分かれています。一般に皆さんが会う公務員は行政職の方が多いです(住民票などの証明発行や納税関係など)。
一方、本コースの卒業生は主に地方公務員の技術職に就いています。たとえば都市関係の部署に配属されれば公園や道路の新規開設に関する計画を作ったり、駅前再開発事業などを行うことになります。また、建築関係の部署では建築確認申請の審査なども行います。他にも上水道や下水道を管理する水道局や、廃棄物やリサイクルに関する事業を扱う環境局などがあります。


数学が苦手なのですが、都市環境コースでは数学を使いませんか?

残念ながら数学は使います。たとえば地震に強い建物を作るには力学計算(微積分を含む数学)が必須で、水の流れや地盤の性質を扱う際にも数学は関係します。土木や建築は人々の命を預かる仕事ですので、数学を用いて安全なものづくりをすることが欠かせないのです。「将来は設計の仕事やデザイナーを目指したいので…」という場合も同様で、力学の知識なしに芸術的・造形的なセンスのみで構造物を作ることは不可能です。